2005年02月08日

プロジェクト趣意書


「グローカル化する世界と宗教」プロジェクト

2004年度「宗教と社会」学会総会提案



研究の目的
 我々が生きている21世紀初頭の現代世界は、グローバリゼーションとローカリゼーションという二つの波にさらされている。ローランド・ロバートソンによれば、宗教の再政治化やファンダメンタリズムの勃興は、グローバル化に付随する必然的な現象である。彼は、いわゆるグローバル化を、普遍主義の個別化と個別主義の普遍化の両作用を伴うものとして「グローカリゼーション」と呼ぶことを提唱した(Robertson 1992)。こうした状況下における世界の宗教状況を把握することは、宗教研究者にとって切迫した課題であろう。そして、この課題は、宗教研究者たちによってこれまでも模索されてきたマクロな政治・文化状況と、ミクロな宗教・文化研究とを接合する方法論上の課題につながってもいる。
 こうした課題を見据え、本プロジェクトでは、次の2つを主眼にしたい。まずは、現実の世界における状況や問題それ自体を知ることである。研究会を重ね、メンバーの研究対象とする世界の諸地域・国家における宗教の現実的状況を可能な限り持ち寄り蓄積したい。次に、現代世界における宗教理解のあり方を検討し、宗教研究における新たな構想力と方法論を鍛えていきたい。
 ファンダメンタリズムやナショナリズムに関しては、この学会でも早い段階で議論され、その成果は刊行されてきた。また米国ではマーティン・マーティらによる原理主義研究プロジェクトThe Fundamentalism Projectが、シカゴ大学から5巻本におよぶ大きな成果を挙げている。こうした先行研究をふまえ、このプロジェクトでは、グローカル化という新しい様相のもとに、現在の世界における宗教状況を考察したい。
 会員諸氏の多くの参加を期待する。


研究の概要グローバル化する現代世界における宗教的ナショナリズムやファンダメンタリズムの勃興にみられるような、宗教の再政治化や政治の宗教化などの問題、また、宗教教団や集団の保持している文化や理念の変化や変容の問題、そうした集団をとりまくより広い社会の国民的とされる文化や、国家による文化政策として表面化しつつある両者間の問題などを論議する。具体的には以下の諸点について研究する。

1.世界の各地域におけるファンダメンタリズムの生起に関する研究と報告
2.主要国における政教分離問題の法律的および宗教社会学的研究
3.主要国における宗教教団による政治的影響力の増大に関する研究
4.宗教的ナショナリズムの増大に関する研究
5.宗教研究および宗教社会学理論のパラダイムの批判的再検討

 研究会は、年に数回、都内の施設において開催する。文科省の科学研究費補助金などを申請活用し、研究成果も公刊していく。


発起人:中野毅(創価大学)、山中弘(筑波大学)、平良直(八洲学園大学)
粟津賢太(東洋哲学研究所)

posted by グロ研 at 02:32| Comment(0) | TrackBack(1) | 事務局より | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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